養育費確保について
現在、物価及び燃料の高騰や10月からのインボイス制度導入など様々な部分で以前よりも家計から出ていくお金が増えております。特にシングルファミリーには打撃が大きく、シングルファミリーでは2人に1人の子どもたちが相対的貧困の家庭で暮らしているという統計も出ております。シングルファミリーが非常に厳しい生活を送らなければならないのは元配偶者が養育費を支払わないことが大きな要因の一つです。スクリーンをお願いします。 令和3年度全国ひとり親世帯等調査では離婚した母子世帯のうち約65%が書面での取り決めをしておらず、書面の取り決めがあっても40%が養育費をうけとれていないのが現状です。


さらに、最初は受取れていても、4年目以降には4人に1人しか受け取れていません。今回母子家庭のみピックアップしましたが、大半のシングルファミリーは養育費が支払われていません。このような状況ですと、満足にご飯を食べることができず、教育をきちんと受けることができないという可能性が出てきます。
わたしもシングルマザーの元で育ちましたが、ありがたいことに18歳になるまで毎月きちんと養育費を支払ってくれた父親だったので、ちゃんとご飯も食べられて、教育も受けることができたと思い、感謝しております。
自分の実体験を元に、なんとかシングルファミリーの子どもたちが健康に育って、のびのびやりたいことができるような環境を整えていきたいと考えています。

まず、最初に藤沢市で令和4年度の1年間に離婚届を受理した件数及び離婚を事由とした児童扶養手当の新規認定件数を教えてください。

令和4年4月から令和5年3月までの1年間において、藤沢市に本籍がある方の離婚届の件数は959件で、そのうち本市に離婚届を提出された方は654件となっております。また、離婚を事由とした児童扶養手当の新規認定件数は269件となっております。

続きまして養育費確保支援事業についてお聞きします。今現在どのような政策でひとり親家庭の養育費確保の対応をしているか教えていただけますか?

離婚後のひとり親家庭において、養育費は子どもの健やかな成長を支える重要なものであり、別居する親は子どもに対して養育費を支払う義務を有しております。しかしながら、議員ご指摘の通り、令和3年度の全国ひとり親世帯等調査から、文書による養育費の取り決め割合を算出すると、母子世帯で35.8%、父子世帯で19.0%と未だ4割にも満たない状況でございます。本市では、養育費の「取り決め」と「受け取り」を両輪で支援するため、令和4年8月から養育費確保支援事業を開始し、養育費の取り決めに係る公正証書等の債務名義取得に要する費用補助や養育費が不払いになった際の強制執行申立てに要する弁護士費用等の補助を行っております。
ご答弁ありがとうございます。
公正証書の作成及び強制執行申立ての補助は養育費が支払われなくなってしまった際は非常に心強い事業です。

それでは養育費確保支援事業の利用件数を教えてください。

令和4年度の公正証書等の債務名義取得に要する費用補助は26件、強制執行申立てに要する費用補助は2件となっております。
今年度につきましては、8月末時点で公正証書等の債務名義取得に要する費用補助は17件、強制執行申立てに要する費用補助は、強制執行を終えて申請待ちの状態が1件ございます。
ありがとうございます。
離婚件数や児童扶養手当の申請数からすると、事業を活用している方が少ないイメージを持ちます。

事業の周知にはどのような方法を活用していますでしょうか。

養育費の支払い義務について法的な強制力を持たせるためには、離婚時に公的な書類を作成し、債務名義化しておくことが必要です。
本市では、離婚届用紙を取りに来られた際や離婚届提出時に、未成年のお子さんがいることが把握できた場合に、養育費についてのパンフレットと養育費確保支援事業の案内チラシをお渡しております。
また、離婚を検討されている方からのひとり親家庭相談において、養育費の取り決めの重要性と市の補助制度についてご案内しております。 このほか、ホームページや広報ふじさわ、ひとり親家庭さぽーとブック等への掲載、案内チラシの市民相談待合室への配架、児童扶養手当の新規認定通知及び現況届結果通知への同封など、様々な手法で制度の周知を図っております
ご答弁ありがとうございます。
様々な方法での周知は非常に心強いです。ただ、公正証書は離婚後ではなく、離婚前に作成するのがベストですので、離婚届に挟んでおき、取りに来られた方への配布が知ってもらうための一番重要なタイミングで唯一の接点です。しかし、すべてのご家族にお子様がいるかどうかは自己申告でしかわからず、全員に養育費確保に関する情報を渡せばいいわけではありません。お子様を授かっているかどうかは非常にセンシティブな問題であるのも事実です。

ですから、離婚届を取りに来た時に養育費確保の案内ではなく、こちらのような別居・離婚時リーフレットという形でお子様がいるかどうかに関係なく、当事者が別居時や離婚時に知っておくべき情報を網羅的かつ簡潔に記載したリーフレットを手渡すことが大切だと思います。お子様がいらっしゃらない方には婚姻費用、DV被害や財産分与等の養育費以外の必要な情報を提供し、お子様がいらっしゃる方にはさらに養育費や面会交流等の取り決めをすることが必要であるという情報が提供できるので、どのようなご家庭にも対応できます。うまくアレンジをして、窓口等で活用していただければと思っております。スクリーンを終了してください。
藤沢市で行っている養育費確保事業に関しては、養育費が支払われなくなった家庭への対応策です。そうではなくて未然に防ぐような未払いに対する防止策が必要であると考えております。現在、350を超える自治体で養育費保証会社への保証費用の助成を実施しております。これは家賃の保証会社と同様に考えていただければわかりやすいかなと思います。未然に防ぐ策としては有用な事業の一つですが、問題点もあります。
これは明石市が挙げている内容ですが、利益を追求する民間企業が主体となっているため、支払義務者が資力に乏しく回収を期待できないケースの場合には審査が通らない可能性があります。また、どの自治体も初回の契約時の保証料のみを自治体負担にする場合が多く、継続保証料や更新料という形でひとり親家庭にとって、負担になることもあります。 また、2020年11月17日付けで日本弁護士連合会が提出している養育費の不払い解消の方策に関する意見書に「義務者に代わって子どもを養育監護する者に養育費を支払う制度を設けるべきである。但し、一定期間に限り、また金額に上限を設けて緊急措置として支援する制度を早急に新設し、継続して支払われない場合の立替制度については、どのようにして回収するかを含め、更に検討をすべきである。」という記述があります。また、同意見書内の「諸外国においては国の関与がなされている例が多くあり」という内容につきましては、立替払い制度をドイツ・スウェーデン・フランスが実施しており、アメリカ・イギリスでは行政による給料天引きが実施されております。

明石市では2020年7月から市が養育費の立替えを行う養育費緊急支援事業を実施しており、現在も養育費立替支援事業として継続しています。養育費緊急支援事業では23件中、13件の立替分約60万円のうち7件の約35万円が回収できており、立替が機能している証拠にもなっていますし、低予算で実施可能です。
今年度、子ども家庭庁を設置し、子育て政策を推進する中で、国主導で養育費立替えを実施していく必要性と可能性があると私は感じております。立替えを国が実施するとしても実際に支払義務者からの回収作業は自治体が担う可能性が非常に高いです。

それに備えてパイロット事業として、20人程度、養育費立替え事業を事前に実施し、自治体が回収をしていくスキームを模索していくことが、必要だと思いますが、いかがでしょうか?

明石市が現在行っている養育費立替支援事業は、支払い義務者の資力が乏しく回収を期待できないなどの理由で、民間保証会社の審査が通らない方も対象としており、回収が困難なケースが増加していると聞いております。市が立替払いを行った場合、現段階では私債権という性質上、地方税法に準ずるような強制力はなく、義務者の財産把握が容易でないなど、回収不能額の増加と回収作業に係る人的負担の増加が懸念されます。公的機関による養育費の立替払い制度について検討した国のタスクフォースにおいても、立替払い制度は、速やかに権利者や子を救済することができるが、そのためには法改正が必要であり、財政的な影響が大きいことから慎重な議論が必要であるとされております。
課題としては、求償できない場合の公費負担への国民理解、求償事務の相当な事務負担、公的給付と求償の法律上の理論的整理等が挙げられております。こうしたことから、自治体が独自に制度創設を検討する場合においても、法的な課題について弁護士等の専門家の意見を踏まえながら、多角的かつ慎重に検討を行う必要があるものと認識しております。 現在、国において養育費確保に関する様々な検討が進められており、要件が満たされれば、一定額の養育費請求権が自動的に発生する「法定養育費制度」の新設なども議論されているところでございますので、引き続き国の動向を注視してまいりたいと。考えております。
ご答弁ありがとうございます。
課題は山積みだと思いますが、実施する価値がある政策であると思います。
まず、課題が4つほど挙げられていました。
一つ目は法改正の必要性ですが、既に明石市で実施している事業を参考にして実施することにより、問題は発生しないかと思います。
二つ目は公的給付と求償の法律上の理論的整理等が挙げられております。藤沢市の顧問弁護士様及び明石市様に確認していただけますと課題が一つクリアできますので、ご対応いただけますととても嬉しいです。
三つ目は財政的な影響が大きいとおっしゃっておりますが、日弁連の意見書内にもございます、「一定期間に限り、また金額に上限を設けて」ということで、明石市のパイロット事業と同様の、立替えは1ヶ月分、5万円までという無理ない範囲で20人程度で運用してみることで、最大でも100万円程度にリスクを抑えていくことは可能です。また、基本的には調停調書や公正証書などの公的な取り決めをしているという条件があることにより、支払われない可能性は比較的少なくなるかと思います。
最後に求償事務の相当な事務負担という部分につきましては、どのくらいの負担があるのか未知数のため、
パイロット事業で募集人数を抑えて、事務負担を推し量ることも必要なことであると考えます。
そもそも児童扶養手当と養育費には密接な関係があり、児童扶養手当は、養育費が十分に支払われない方へ支給される手当です。言わば公の救済制度です。きちんと未然に防ぐための政策が推進され、養育費が支払われるようになると、収入とみなし、全額支給から一部支給や支給なしになり、児童扶養手当の支出を適正化することが可能です。また、養育費を受け取っていることも実績として残るため、児童扶養手当の所得額計算の際に養育費を受け取っているけれども、受け取っていないと虚偽の申告をすることも防げます。結果、自治体の管理の元、養育費を受け取るということは、児童扶養手当の適正支給に一石二鳥で歳出の抑制効果も期待できます。ここで抑制した歳出を財源にして、立替制度の運用もできるかもしれません。
やはり、シングルファミリーのご家庭は養育費が支払われないことによって、大変な思いをしております。賞味期限が近い食品を配布しているフードパントリーにきて、こんなにもらっていいのと驚いているお母さんの姿もみました。子ども食堂に来て、笑顔でおいしそうにカレーを食べているこどもたちとお母さんも見ました。
なんとか子どもたちの明るい未来のためにも、事務負担が大きいとか財政の影響が大きいとか、頭ごなしにできない理由を並べるのではなくて、本当に必要な政策であれば一つ一つ課題を解決して、シングルマザーにあまり金銭的負担をかけないように、養育費未払いを未然に防ぐ方法を模索して頂ければと思います。
以上でわたしの一般質問を終わります。ご答弁ご清聴、誠にありがとうございました。
藤沢市議会議員:西川せいじ