藤沢市議会

令和7年6月定例会 一般質問【子どもたちの食の安全について】

会議日:令和7年6月24日 質問・回答
学校給食の安全について

最初に取り上げたいのは、私たちの食卓を支える「お米」、その中でも未来を担う子どもたちの「学校給食」に関することです。
国産の新米は1袋5キログラムの平均価格が6月時点で4223円と言われており、1年前と比べてほぼ倍となり、「令和の米騒動」と言われている状況です。歴史を振り返れば、大正時代にも「米騒動」がありました。

1918年に日本で発生した大規模な抗議運動で、主に米価の高騰に対する反発から始まりました。
特に富山県の女性たちが中心となり、米の価格引き下げを求めて暴動が広がりました。また、1993年私が10歳の時に、冷夏によるお米の生育不良で平成の米騒動が起きました。
お米の作況指数が全国平均74、東北の青森で28や岩手で30と前年と比較して非常に厳しい状況でした。
おいしかったかどうかは覚えていないのですが、この時にタイ米やカリフォルニア米をおうちで食べた記憶があります。
このテーマを取り上げるきっかけは、市内の米農家の方からのご相談でした。
農家の方々は、昨今の物価高騰に非常に苦しんでいらっしゃいます。お米の苗は昨年の1.14倍、肥料はわずか3年間で1.5倍にも高騰しました。燃料費、人件費、そしてあらゆる資材費が軒並み上昇し、生産コストは限界に達しています。
このような状況の中、学校給食へのお米の買取価格が多少上がったとしても、到底追いつかないというのが現状です。農家さんからは「このままでは、学校給食向けのお米よりも、直接消費者に販売したり、直売所で販売したりする方が、経営として利益が多くなる。学校給食向けに売らないという判断をせざるを得ない状況に追い込まれてしまうかもしれないから、買取価格をもっと上げてもらえないか」という切実な声が寄せられました。
このご相談を受け、調査を進める中で、学校給食のお米の買取価格はJAが情勢を鑑みて決定し、残念ながら自治体では直接関与できない部分であることが分かりました。しかし、この問題は決して他人事ではありません。むしろ、子どもたちの健やかな成長を支える学校給食の「食の安心・安全」に直結する問題だと強く感じました。

藤沢市は、地産地消を掲げ、昨年は藤沢産のはるみを給食に24回も提供してくださいました。
これは素晴らしい取り組みであり、私も高く評価しています。しかし、その根幹を支える生産者である農家さんが、このままでは立ち行かなくなってしまう。そうなれば、子どもたちの学校給食に、安定して安全でおいしい地元のお米が届けられなくなる、そんな未来が現実のものとなってしまうのです。
この「令和の米騒動」と言われている状況で学校給食におけるお米の安定供給に関して、どのように対策を講じていくのかを質問させていただきたいと思います。

西川せいじ

まず、藤沢産米はるみはJAを介して購入をしているとのことですが、その他の学校給食用のお米はどのように調達しているのでしょうか?お聞かせください。

川口教育部長

学校給食用のお米につきましては、JAから購入している「藤沢産米はるみ」及び「あいがも米」以外は、神奈川県学校給食会から購入しております。
学校給食会は、県内市町村で学校給食として使用する量を把握するとともに、様々な産地と品種の国産米を確保し、本市を含む県内市町村に供給しております。

神奈川県学校給食会が必要なお米を確保してくださっているというのは非常に安心だと感じました。

西川せいじ

それでは給食用藤沢産米はるみの学校給食課としての仕入れ価格はJAが決定するとのことですが、藤沢産米はるみを仕入れ予定の予算を大きく上回る金額が出てきてしまったときに、どのように対応する予定でしょうか。

川口教育部長

「藤沢産米はるみ」の価格が想定を大きく上回るものとなったときは、学校給食会が供給する米の価格の方が相対的に安価な傾向にございますので、まずはこちらへの置き換えを検討いたします。
学校給食会の価格も想定を上回るなどにより、それでも対応しきれない場合には、給食の質を低下させないことにも配慮しながら、献立の工夫や食材の変更をするなどして、対応してまいります。

「令和の米騒動」の影響はすでに大きく、6月10日に政府備蓄米を20万トン追加放出するとのことです。それまでに61万トン放出しているので、合計81万トンの備蓄米の放出が決まっており、既にスーパーの店頭に並ぶなど、異例の対応が取られています。
また、高騰する国内のお米の価格を受け、民間では1キロ当たり341円という高関税を支払ってでも海外からお米を輸入する動きが急増しており、この春以降、その傾向は顕著になっています。
このような状況下で神奈川県学校給食会からの供給だけではカバーしきれない可能性も出てくるかもしれません。そうなった時、子どもたちへの安定した給食提供を維持するためには、国産の前年産や当年産米以外の選択肢も視野に入れざるを得なくなるのではないでしょうか。

西川せいじ

藤沢産米はるみを仕入れる量が減るとしたら、さらに他のお米を調達する必要がでてきますが、備蓄米の古古古米や輸入米などを活用する可能性はあるのでしょうか。

川口教育部長

今年度につきましては、学校給食会が、令和6年産及び令和7年産の国産米を年間通して確保していることから、ご質問の米を使用することはございません。

令和6年産及び令和7年産の国産米を年間通して確保していると明確にご答弁いただいたことは子どもたちの健康に関心度が高い保護者の方々に非常に安心感をもたらしていただいたと思います。
しかし、今後万が一のことが起こり、国産の前年産や当年産米以外のお米を使わざるを得ない状況が訪れる可能性が0ではありません。

西川せいじ

前年産又は当年産、わかりやすくいうと古米又は新米の国産米以外を使用する場合は「すぐーる」などの保護者との連絡ツールを活用して、変更等の連絡をしていただくことは可能なのでしょうか。

川口教育部長

学校給食に使用する米につきましては、「国産を使用」とお知らせをしておりますので、国産以外の米を使用することとなった場合には、適切な時期にわかりやすい方法で保護者へお知らせいたします。
また、前年より前の年に収穫された米を使用することとなった場合には、その際の状況に鑑み、お知らせの必要性を判断してまいります。
なお、具体的な産地につきましては、他の食材と合わせて、ホームページに掲載し、情報発信をしているところでございます。
食材に関する情報につきましては、保護者の関心が高いものでございますので、今後につきましても、引き続き情報発信に努めてまいります。

やはり、古米より前のお米に関しては油分の酸化であったり、輸入米に関しては農薬であったり、保護者の方々が気になる部分は多岐にわたります。こうした丁寧で適切な情報発信をお約束していただけることこそが、保護者の方々に安心をもたらし、学校給食への信頼を深めることに繋がると考えます。今後ともよろしくお願いします。

藤沢市議会議員:西川せいじ

関連記事

TOP