地域問題

辻堂団地の乱横断問題、住民主体で解決へ

2年越しの取り組みが実を結ぶ

長年、地域の課題となっていた辻堂団地の乱横断問題。県道30号沿いの交差点では、辻堂団地バス停の降車場から西側のなぎさモール辻堂へ向かう際に、柵の切れ目を通って道路を横断する人が後を絶たず、安全面での懸念が地域住民の間で共有されてきました。

この問題に、私は2年前から辻堂団地自治会の久保田穂高会長と二人三脚で取り組んでまいりました。

当初は、横断歩道の新設やバスロータリーの使い方の変更など、さまざまな解決策を検討しました。
しかし、横断歩道には設置のための条件が厳しく、バスロータリーの変更についてもバスの取り回しなど課題が多いことが分かってきました。そうした検討を重ねた末、まずは現実的にできることとして、注意喚起のための横断幕の取り付けという形でいったん落ち着きました。
「ここを渡らないでください」という呼びかけを目に見える形で示すことから始めたのです。

しかし、横断幕だけでは根本的な解決には至りません。
そこで久保田会長とともに、実際にどれだけの人が、どのタイミングで乱横断しているのかという実態調査を行いました。
客観的なデータを積み上げることで、行政や関係機関に「何が問題なのか」を具体的に示す土台をつくったのです。

データと対話を積み重ねた合意形成

調査を踏まえ、市の都市計画課および辻堂市民センターの市職員の皆さまと幾度も打ち合わせを重ねました。
そこで発想を切り替え、「人の流れそのものを変える」ために、バス降車場の位置を移動させるという案にたどり着きました。
これにはバス事業者の協力が不可欠であり、バス会社も巻き込みながら関係者全員で合意形成を進めていきました。

久保田会長が一貫して掲げていたのは「スピード感を持って丁寧に」という姿勢です。
昨年10月から横断者数の調査を開始し、12月からは市や企業とオンラインも活用して打ち合わせを重ね、住民説明会も開催しました。一つひとつ丁寧に合意を得ながら、しかし停滞させることなく前へ進めていったのです。

そして今年3月2日から29日にかけて、自治会と市が共同で降車場移動後の定量調査(実証実験)を実施しました。
結果は明確でした。乱横断者の割合は、移動前の42.3%から19.6%へと半減。確かな効果が数字で裏付けられたことを受け、正式に運用を開始する運びとなりました。

地域・行政・企業が連携したモデルケースへ

今回の取り組みで何よりも意義深いのは、市民が行政・企業と連携し、住民自らの手で地域課題を解決したという点です。
久保田会長は「行政に共感いただき感謝している。地域の課題に声を上げれば、解決に導くことができる。今後は同じような課題を抱える市内の自治会・町内会に、成功事例としてノウハウを共有していきたい」と語っています。

私自身、この2年間にわたるプロジェクトに携わることができたことを、心から嬉しく思っています。
試行錯誤を重ねながらも、久保田会長をはじめ地域の皆さま、そして行政・企業の方々と力を合わせて一つの成果にたどり着けたことは、何ものにも代えがたい経験となりました。

地域の困りごとは、声を上げ、データで示し、関係者を粘り強くつないでいくことで、必ず前に進めることができる。
今回はその一つのモデルケースになったと考えています。
これからも私は、住民の皆さまの「困った」に耳を傾け、行政・企業・地域をつなぐ役割を果たしながら、安全で安心して暮らせるまちづくりに全力で取り組んでまいります。

藤沢市議会議員:西川せいじ

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